日本ケンタッキー・フライド・チキンがまたもやややこしいキャンペーンを展開している。どうしてこうも毎回、ユーザーの混乱を招く内容ばかり出てくるのか。味や品質は安定しているはずなのに、肝心のコミュニケーション設計が疲弊感を増すばかりだ。特に、あれこれと複雑なキャンペーン要素が山積みで、何が本当に伝えたいのかぼやけてしまっている様は、不満を感じる消費者の気持ちがわかる。
この状況はアイデアの取捨選択と極めて似ていると感じる。無駄に多くの小さな企画や試みを抱え込むよりも、本当に刺さる核心的なコンセプトを見極め抜いて手放す勇気のほうが、結果的には強く、わかりやすいメッセージになる。ケンタッキーの今回のキャッチコピーもゴチャゴチャと盛り込みすぎているせいで、消費者の「これだ!」という感覚に響かなくなってしまっているのだ。
この点は、日々抱える大量の「メモ」や「アイデア」の整理にも通じる。不思議と毎日浮かぶ断片的な思いつきを全部形にしようと頑張るほど、肝心の核がなかなか浮かび上がってこない。逆に多少の捨てる勇気や取捨選択のスキルが身につくと、残ったものが自然に鮮明になり、メンタルの負荷も減る。結果としてより強いメッセージや企画が立つことを知っているはずだ。
だから、ケンタッキーのような大企業でも、やみくもに企画を積み上げず、簡潔で鋭い一撃を放つための整理能力を高めるべきだと思う。アイデアの本質やメッセージをくどくど増やすだけではむしろユーザーの認知負荷が増えるだけなのだから、彼らの態度が改善されることを願うばかりだ。メモや思考の整理で悩む僕らにとっても、企業の一見どうしようもない迷走から学べる部分は意外に多いというわけだ。
